残業月45時間超は「例外中の例外」反発広がる 一律抑制取りやめ
厚労省が月45時間以内の一律残業指導を9月から見直し、健康確保措置の確認を重点化へ。
今何が起きているか
厚生労働省は、時間外労働が月45時間を超える企業への一律の是正指導を見直す方針を固めた。9月から、45時間以内に抑えるよう求める一律指導をやめ、代わりに健康確保措置の実施状況を重点的に確認する。首相の高市早苗氏は、この見直しは過重労働助長には当たらないとの認識を示した。
なぜ起きているか
現行の一律指導は、長時間労働の抑止に一定の効果があった一方、繁忙期や突発的な業務に対応できないという企業側の声があった。政府は働き方改革の趣旨を維持しつつ、柔軟な労働時間運用を認めることで経済活動の停滞を避けたい考え。また、健康確保措置の徹底を図ることで、過重労働による健康被害を防ぐ狙いがある。
影響範囲
影響を受けるのは、月45時間を超える残業が常態化している企業とその従業員。特に、繁忙期に残業が増える業種や、これまで一律指導の対象となっていた中小企業では、運用の変更によって残業時間が増える可能性がある。一方で、健康確保措置の確認が重点化されるため、長時間労働者の健康管理がより厳しく問われることになる。
今後どうなりそうか
9月の運用開始後、厚労省は健康確保措置の確認を徹底する方針で、過重労働による健康被害が発生した場合には従来通り厳正に対処するとみられる。今後、企業の残業時間の実態や健康被害の発生状況を注視し、必要に応じて指導の在り方を再検討する可能性がある。また、労働組合や野党からは過重労働助長につながるとの反発もあり、議論が続く見通し。
今意識したほうがいいこと
働く側は、自身の残業時間と健康状態を記録し、体調に異変を感じたら早めに相談する。企業の人事・労務担当者は、健康確保措置(面接指導、時間外労働の上限設定など)の実施状況を確認し、記録を整備しておく。また、繁忙期の残業増加に備え、労働組合や従業員代表との間で労使協定の内容を確認しておくことが望ましい。
社会への影響
この見直しは、長時間労働の是正と働き方の柔軟性のバランスをどう取るかという社会的課題を浮き彫りにする。一律指導の撤廃が過重労働を助長しないか、健康被害が増えないかが焦点となる。また、働き方改革の理念が形骸化しないよう、行政の監督と企業の自主的な取り組みが問われる。