高野山の宿坊、複数の宗教法人が1億円超の申告漏れ
世界遺産・高野山の宿坊を営む複数の宗教法人が大阪国税局の税務調査で1億円超の申告漏れを指摘された。インバウンド需要の拡大が背景にある。
今何が起きているか
和歌山県の高野山で宿坊を営む複数の宗教法人が、2025年度に大阪国税局の税務調査を受け、法人税や所得税などあわせて1億円を超える申告漏れを指摘されていたことが分かった。宿泊収入の一部が申告されず、住職の家族が私的に支出していた事例も報じられている。追徴課税は6000万円規模になる可能性が伝えられている。
なぜ起きているか
宿坊は宗教活動と宿泊事業の性格を併せ持ち、収入の区分や申告の扱いが複雑になりやすい。外国人観光客の増加で宿泊収入が伸びた一方、経理体制や税務処理が追いついていなかった可能性が指摘されている。宗教法人の収益事業に対する課税の仕組みが一般に分かりにくいことも背景にある。
影響範囲
高野山の宿坊を運営する宗教法人とその関係者、宿泊客、周辺の観光事業者に影響する。追徴課税や是正が進めば宿泊料金やサービス内容の見直しにつながる可能性があり、地域の観光収入にも波及しうる。
今後どうなりそうか
大阪国税局の指摘を受けた各法人は修正申告や納付を進めるとみられる。宗教法人の収益事業に対する課税の考え方や、宿坊の経理の透明性を巡る議論が続く可能性がある。
今意識したほうがいいこと
高野山を訪れる際は、宿泊予約や料金の表示がどう扱われているかを確認しておくとよい。宗教法人や宿坊の関係者は、収益事業の収入区分と申告の整理を税理士などと確認する必要がある。
社会への影響
宗教法人の非課税の扱いと収益事業への課税の境界は、信者の寄付と観光収入が混在する現場で線引きが難しい。今回の指摘は、宗教法人の会計や情報公開のあり方を見直すきっかけになりうる。