鳶工事業の倒産が16年ぶり100件超ペース、職人不足とコスト高が直撃
建設業の中でも鳶工事の倒産が急増し、16年ぶりに年間100件を超える見通しとなった。職人不足と資材・人件費の上昇が背景にある。
今何が起きているか
東京商工リサーチによると、鳶工事業の倒産が過去最多ペースで増えており、年間で100件を超える見通しとなった。100件超は16年ぶり。職人不足とコスト上昇への対応が経営の重荷になっている。
なぜ起きているか
鳶工事は高所での足場組み立てなど熟練技能を要する一方、若い入職者が少なく職人の高齢化が進んでいる。人件費や資材価格の上昇分を発注価格に転嫁しきれない事業者が多く、利益が薄くなって資金繰りが悪化しやすい。
影響範囲
鳶工事業者は建設現場の下請けとしてゼネコンや元請けの工事を支えており、倒産が増えれば建設プロジェクト全体の工程や安全体制にも影響が及ぶ。職人の雇用や取引先の中小企業にも波及する。
今後どうなりそうか
建設需要自体は都市再開発やインフラ更新で底堅いとみられるが、人手とコストの制約が解消しなければ、価格転嫁や事業統合を進められない小規模事業者から退出が続く可能性がある。
今意識したほうがいいこと
建設業の発注者や元請けは、下請けの価格転嫁や工期設定が適正かを点検する必要がある。鳶工事業者側は受注価格の見直しや技能者の確保策を早めに検討することが求められる。
社会への影響
建設現場を支える専門工事業の疲弊は、インフラや住宅の施工品質・安全に影響しうる。技能継承が滞れば、建設業全体の供給力低下につながる。