トヨタ、2030年までに全車種をSDV化へ ソフトウェア定義車両で開発競争が加速

車の性能をソフトウェアで更新するSDVへ、トヨタが全車種を移行する方針を示した。部品供給や整備のあり方にも波及する。

今何が起きているか

トヨタ自動車が、2030年までにすべての車種をSDV(ソフトウェア定義車両)にする方針を明らかにした。SDVは走行性能や装備の機能をソフトウェアの更新で変えられる車で、SUBARUも2020年代後半にSDVを投入する計画を発表している。SUBARUは新車開発期間を短縮するため、衝突実験を実機ではなくシミュレーションで行う技術も開発したと発表した。

なぜ起きているか

車の機能が電子制御とソフトウェアに依存するほど、開発のたびにハードウェアを設計し直す手法は時間と費用がかかる。ソフトウェアで機能を後から追加・修正できれば、開発期間を短縮し、購入後も課金や機能追加で収益を上げやすくなる。SUBARUが衝突実験をデジタル化したのも、同じ開発期間短縮の圧力が背景にある。

影響範囲

影響は完成車メーカーだけでなく、部品サプライヤー、販売店、整備工場、保険会社に及ぶ。整備の現場では、故障の診断が機械部品の交換からソフトウェアの更新・設定に移る可能性がある。利用者は購入後の機能追加やサブスクリプション費用を負担する場面が増える。

今後どうなりそうか

2030年までの全車種移行がどこまで前倒しされるか、またSDVの機能更新を誰が担うかが焦点になる。車載ソフトの開発を外部に委ねる動きが広がれば、自動車業界とIT業界の提携や再編が進む可能性がある。

今意識したほうがいいこと

車を買い替える際は、購入後のソフトウェア更新や有料機能の有無、整備体制を確認しておきたい。整備・販売の事業者は、ソフトウェア対応の研修や設備投資の計画を早めに検討する必要がある。

社会への影響

車の価値がハードウェアからソフトウェアへ移ると、下請け部品メーカーの仕事の内容と量が変わる。整備士の技能要件も変わり、雇用や教育の仕組みに影響が及ぶ。